ICON(ホワイトスポットの治療)
- 2025年2月21日
- その他診療について
前歯部によく見られるホワイトスポットですが、原因はさまざまです。
・白斑病変(white spot lesion)
・エナメル質形成不全症(遺伝性疾患)
・エナメル質形成不全(先行乳歯の根尖病変、外傷、MIH・乳児期の熱性疾患や代謝障害、フッ素症)など
白斑病変は、萌出後の異常であり、エナメル質形成不全は萌出前の形成時の異常とされます。
いずれにしても、ICONの適応にはなりますが、その難易度は境界の明瞭さや色の濃さというよりも、白濁の深さ、つまり白濁の形成時期や原因の重症度よるものではないかと考えられます。
簡単そうに見えて、実は奥が深く難しい治療で、比較的見えづらいホワイトスポットも健全エナメル質にマスクされており実際には深い位置に大きなホワイトスポットがあるということも稀ではありません。
比較的に浅い白濁の場合は、低粘性レジン浸潤法にて行う治療を、MIHなど比較的深い場合は、表層エナメル質を一層除去しレジンを浸透させる深部レジン浸潤法で行いCR充填を併用する場合もあります。
初めからその深さを把握するのは難しいため、施術しながら深い場所には深部レジン浸潤法で行うなどで処置を行っております。
当院に白濁の治療で来られる患者さんの原因の約8割は乳歯の外傷、約1割はMIH、1割は白斑病変(初期う蝕)といった割合ではないでしょうか。
外傷と言っても、外傷を負った時期、重傷度によってもその白濁の重症度は変わってきます。
小学生から成人の方までご相談に来られますが、一番目立つ場所に頻出するホワイトスポット、できれば補綴治療をせずに審美的回復に導きたいものです。
院長 西田くらら