50代男性「専門医に根管治療をお願いしたい」
- 2025年7月31日
- 精密根管治療
背景
以前、上の歯の骨に穴が空いていると言われたことがある。必要であればしっかり治療をしてほい、とのことで来院されました。診査・診断、レントゲン撮影、CT撮影を行い、右上2番、左上1番の根尖性歯周炎という診断をし外科的歯内療法をし根管治療行うことになりました。治療から1年経過観察では、術前に認められた病変は縮小傾向にあり、歯茎の違和感もなくなりました。
診査・診断
Pulpal Dx:Symptomatic irreversible pulpitis
Periapical Dx:Symptomatic apical periodontitis
症例紹介

術前

術後1年

右上2番根切後

右上2番逆根管充填後

左上1番根切後

左上1番逆根管充填後
左図:根尖切除
根管の先端、約3㎜を目安に切除します。
右図:逆根管充填
超音波チップを用いて、切断面から根管内を清掃し、MTAを用いて根管充填を行います。
手術から4日後抜糸を行い、治療は終了です。
主訴 | しみと痛みがある |
治療内容 | 左上1番、右上2番の精密再根管治療 |
治療期間 | 2回(2週間) |
費用 | 264,000円(税込) |
リスク | 痛み |
外科的歯内療法とは
外科的歯内療法は、根尖の約3㎜の部分にある枝分かれの部分(非外科的には綺麗にできない部分)を外科的に切除する方法です。切除するだけでは細菌の封鎖ができず再発してしまうことがあります。大切なのは、マイクロスコープを使いクラックがないかなど切断面を精査し、切断面とその周囲の感染源を可及的に除去するために逆根管形成をし、最終的にはMTAなど生体親和性の高い材料で確実に封鎖を行うことです。
まずは根管内から通常の非外科的な歯内療法を行うことが第一選択ですが、大きなポストコアが入っていて外せない場合、また自費で入れたセラミックの歯がある場合などには、被せ物を外さず治療できる外科的歯内療法が適している場合もあります。