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医療コラム

根管洗浄|clara dental clinic|小倉北区の歯医者

根管洗浄

根管内の歯髄残片や罹患象牙質は,機械的清掃により能率的に取り除くことが可能です.しかし,機械的清掃だけでは根管壁に付着したスミヤー層およびスミヤープラグなどの確実な除去には十分ではありません.これらの中には細菌が残留している可能性が高く,貼薬剤による象牙細管内の消毒を阻害する可能性も考えられます.さらに,根管充塡時に根管シーラーの壁着性を阻害して,緊密な根管充塡を損なうことさえも危惧されます.

根管洗浄液に求められる要件は,抗菌性,有機質溶解性や無機質脱灰性によるスミヤー層除去能です.

<交互洗浄>

●根管形成中

根管形成中は,拡大号数をあげるごとに十分な洗浄を行います.

まず,EDTAにてスミアー層の無機質部分の除去,次に次亜塩素酸に根管内および象牙細管内の消毒を行います.

NaOClの有効塩素はEDTAにより中和されるので,再度NaOClの効果を得たい場合はEDTAを完全に洗い流すほど大量にNaOClを使用することに留意する必要があります.

●最終洗浄交互洗浄に加えて最後EDTAを1分間根管内に充満させます.

<NaOCl>

象牙細管内に侵入した細菌の除去,歯髄組織や壊死組織などの有機質溶解性を持ちます.

水溶液中で分解することで発生した有効塩素が微生物の酵素を阻害して抗菌効果を示し,脂肪酸を分解して組織溶解能を示します.反応する対象に触れることで作用し,作用後すぐに失活するため,臨床上は頻繁に交換し,常に新鮮なNaOClを灌流させる配慮が必要です。根尖孔外に溢出させるとヒポクロアクシデントを起こす危険があるので,過度な圧は避けます.

<EDTA>

スメアー層内の無機物の除去,象牙質の脱灰などの作用があります.

ファイル操作などにより形成されたスメアー層は,象牙細管内部への洗浄液の浸透を妨げるため,除去すべきです.17%の濃度で使用すると,1分で効果が現れます.過脱灰を防ぐため1分以上の使用は控えます.頻繁な交換をしなくても効果を維持できるため,1mlほどの使用量で十分です.

機械的清掃に加え,適切な根管洗浄が根管治療成功の重要なカギを握っています.超音波や,根管洗浄液の組み合わせなど,根管洗浄の効果を上げる必要もあります.

院長 西田くらら

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